- 1. あ行
- 1.1. 【会津絵 あいづえ】
- 1.2. 【暗款 あっかん】
- 1.3. 【青金 あおきん】
- 1.4. 【青粒 あおつぶ】
- 1.5. 【在手盃 あっしゅはい】
- 1.6. 【後絵付 あとえつけ】
- 1.7. 【甘手 あまで】
- 1.8. 【新物 あらもの】
- 1.9. 【アールデコ= art déco】
- 1.10. 【アールヌーボー】
- 1.11. 【暗花 あんか】
- 1.12. 【アンギン】
- 1.13. 【アンダーソン土器= Anderson】
- 1.14. 【アンティーク= antique (仏)】
- 2. い行
- 2.1. 【石皿 いしざら】
- 2.2. 【石盃 いしはい】
- 2.3. 【石もの】
- 2.4. 【イズニク陶器= Iznik pottery】
- 2.5. 【イスパノモレスク (陶器) = Hispano-Moresque pottery】
- 2.6. 【糸切】
- 2.7. 【今出来 いまでき】
- 2.8. 【入底 いれぞこ】
- 2.9. 【色絵 いろえ】
- 2.10. 【イングリッシュ・デルフト= English Delft】
- 2.11. 【印判手 いんばんで】
- 3. う行
- 3.1. 【ウィローパターン=willow pattern】
- 3.2. 【VOC】
- 3.3. 【内禿 うちはげ】
- 3.4. 【うに】
- 3.5. 【海揚がり うみあがり】
- 3.6. 【上絵付 うわえつけ】
- 4. え行
- 4.1. 【永仁の壷】
- 5. か行
- 5.1. 【蓋雪 がいせつ】
- 5.2. 【梅花皮 かいらぎ】
- 5.3. 【蛙目 がいろめ】
- 5.4. 【火炎土器 かえんどき】
- 5.5. 【カオリン=kaolin】
- 5.6. 【鏡 かがみ】
- 5.7. 【数物 かずもの】
- 5.8. 【片身替り かたみがわり】
- 5.9. 【火中 かちゅう】
- 5.10. 【画花 かっか】
- 5.11. 【窯傷 かまきず】
- 5.12. 【窯印 かまじるし】
- 5.13. 【ガラ】
- 5.14. 【皮鯨 かわくじら】
あ行
【会津絵 あいづえ】
会津の伝統的漆器のこと。黒地に色漆で菊や松竹梅を描き、金箔蒔絵を施したものが代表的である。梅花などは盛り上げるように描かれて絵に立体感を見せるのが特徴の一つである。天明五年(一七八五年)より会津藩の大胆な藩政改革を行った家老職田中玄宰の殖産興業のもとで藩外への輸出品として盛んに生産されるようになった。人気を博した会津絵も大正時代に生産が途絶えたが、当地の老舗漆器店「鈴木利兵衛」の鈴木幹子さんの努力によって昭和六十年代に生産・販売が復活した。
【暗款 あっかん】
陶磁器の釉下の素地に彫られた銘や押印のことで、沈み印ともいう。
【青金 あおきん】
金と銀の合金。 銀の含有量が増えるにつれて青緑色、さらに銀白色になる。工芸品や装飾品に用いる。
【青粒 あおつぶ】
大正期に流行した九谷焼絵付の一種。緑色のエナメルの上に暗緑色のエナメルを密集した点で盛り上げ文様とする装飾手法。
【在手盃 あっしゅはい】
端反りの盃のことで、手に持ったときその端反りの部文が手を圧する感じがすることからこの名がある。押手盃ともいう。
【後絵付 あとえつけ】
第一義には本窯で焼成したものに更に絵付を施し、もう一度錦窯で焼成したものをいい、上絵付と同義である。第二義として本来素文であったものに後世絵付を施し再焼成したものや、スレて不鮮明になった文様の上にもう一度絵付を行って再焼成したものをいう。
【甘手 あまで】
窯の温度が上がらず、焼成が不十分で素地が焼締っていなかったり、釉が十分溶融しなかったりした磁器をいう。表面は光沢がなく、やや不透明な上がりになり、染付などの文様はぼけて見える。生焼 け、火前などともいう。
【新物 あらもの】
陶磁器など古いものに似せて作った最近作のことをいう。
【アールデコ= art déco】
1920~1930年代にかけて盛行した美術工芸様式。それまでのアールヌーボー様式に代わり、簡潔さと合理性を目指したもので、幾何学的な線とパターン化された模様が特徴である。
フランスに起こったアールデコはヨーロッパだけでなくアメリカ、日本にも影響を及ぼした。ニューヨークの摩天楼、家具・インテリアのマッキントッシュ、チャールズ・レニー、
フランク・ロイド・レニー、工芸のティファニー、ルネ・ラリック)、わが国の陶磁器のオールドノリタケなどの作品が有名である。
【アールヌーボー】
十九世紀末から二十世紀初頭、ベルギー、フランスに起こった建築・工芸の新様式。その後ドイツ、オーストリア、スペインに波及した。花・樹木・鳥・昆虫などをモチーフにした自由曲線的装飾が特徴である。建築のガウディ、ガラス工芸のエミール・ガレやドーム兄弟、ルイス・C.ティファニーなどが代表的である。第一次世界大戦を境にアール デコへと移行した。
【暗花 あんか】
陶磁器の素地の表面に細く浅い線で文様を描き、その上から釉を掛けたもの。表面は平滑であるが、その中に文様が沈んで見える。高麗青磁の碗や瓶などにその典型的なものがある。
【アンギン】
イラクサやカラムシなどの草皮、シナなどの樹皮の繊維をや筵を編むのと同様の技法で編んだ布、いわゆる綱ぎぬのことである。縄文布は縄文土器の圧痕や付着していた布の残欠からアンギンであることが判明している。
【アンダーソン土器= Anderson】
中国新石器時代の仰韶文化(紀元前4500~紀元前2500)の彩陶のこと。スウェーデンの地質学者J・G・Andersonが1921年河南省灑池県仰韶村で初めて発掘し、西アジアの彩文土器との交流を発表して有名になりこの名がついた。巷間、アンダーソン土器と称されている彩陶土器は河南省の仰韶文化の彩陶土器と時代 が少し下る甘粛省の馬家窯文化の彩陶土器の両者を一緒にしてそう呼んでいるようであるが、厳密には両者の間には器形と文様にかなりの違いがある。
【アンティーク= antique (仏)】
本来はギリシャ・ローマ時代の古典美術を表現する言葉であるが、転じて古美術・骨董・古物の意味にもなった。日本では特に西洋骨董全般を指していう。骨董屋、古道具屋はアンティケール= antiquaire(仏)である。
い行
【石皿 いしざら】
瀬戸・美濃で江戸時代に大量に焼かれた煮しめ皿。陶土は半磁器質で鉄砂や呉須で大津絵風の粗画が描かれている。下手の陶器の中でも人気があり、コレクターも多い。時代が古く、絵柄もめずらしい皿が喜ばれる。
【石盃 いしはい】
磁器製の盃のこと。
【石もの】
カオリンを原料として作る磁器のこと。石焼ともいい、土物に対比する。
【イズニク陶器= Iznik pottery】
トルコ北西部の町イズニク(現ニカエア)で十五世紀から十七世紀にかけて生産された陶器。初期の製品は粗末なものであったが、十六世紀に至り多色着彩の技術を開発して中国製品の代用的地位を越える優品を生産した。
製品は胎土の表面を白土で化粧し、下絵を彩色した上に透明釉を掛けて焼成する。様式化された植物や花の模様が特徴である。イズニク陶器についてはまだ不明の部分があり、古い文献に十五世紀の初期、クタイヤの地でも同種の陶器が製作されたという記録がある。また、1860年に古美術界に持ち込まれた大量の作品の由来である。これはオスマン帝国のスルタンの宮殿が新宮殿に移った際に旧宮殿の宝物庫から使われなくなったものが流出したとする説がある。しかし、これも確証が無い。イズニク窯はタイル(イズニクタイル)の生産地としても有名であったが、十八世紀以降生産は次第に衰退した。
【イスパノモレスク (陶器) = Hispano-Moresque pottery】
スペインがイスラム治下の時代にバレンシアで作られたラスター彩陶器の一種。ラスター彩陶器の技法は十二世紀頃エジプトからやってきた陶器職人によってムーア人の居住するムルシアやマラガに伝えられ、十四世紀に入ってバレンシアにもたらされたと考えられている。イスパノモレスク陶器は王家や貴族、豪商などからの紋章入りの特注品から一般庶民の食器にいたるまで作られ、近隣諸国にも輸出された。イスパノモレスク陶器はその後スペイン陶芸の源となったが、特にルネサンス期のイタリア陶芸の芸術性を高める要因になったともいわれる。
【糸切】
轆轤成形した陶磁器の素体を轆轤から切離するのに撚糸(藁みごや馬の尾の毛などを用いることもある)で引切ること、またこの痕をいう。通常日本では轆轤を右回転させて切離し、その痕を右糸切(本糸切・順糸切)というが、中国では左回転させて、その痕を左糸切(逆糸切・唐物糸切)という。特に茶人には大切な見所の一つである。
【今出来 いまでき】
最近作られたもの。新物(笑)と同じ。
【入底 いれぞこ】
壺・瓶・碗などで胴と底部を別々に作り、底を後から嵌込んだものをいう。 通常底は畳付より中に入り込んでいる。
【色絵 いろえ】
焼物で赤を主調とし、緑・紫・黄・藍など多彩な色釉で上絵付を施したもの。赤絵ともいう。
【イングリッシュ・デルフト= English Delft】
英国ブリストルやリバプール地方で焼かれた錫釉陶器。十七世紀オランダから移住した陶工によって始められ、本場デルフトに取って代わるまでになった。藍釉と色絵が中心である。
【印判手 いんばんで】
江戸時代後期、美濃で始められたという同じ模様の器を量産するための染付技法による陶磁器。絵柄を切り抜いた型を素地に載せ、上から絵具を塗り付ける型絵といわれる捺染法や、判を使って直接素地に押絵するいわゆるコンニャク判などがある。明治時代に入り、銅版転写の技術が開発され、この銅版絵付が印判の主流となった。印判技法は食器類以外の便器のオマルや火鉢など大型陶器製品にも利用された。
う行
【ウィローパターン=willow pattern】
橋のたもとに柳のある図柄で、楼閣や舟を配したものなどもある。本歌は中国。日本でも美濃や有田で作られたが、十八世紀に英国でこの図柄が陶磁器の染付文様として流行
やなぎえでした。柳絵手とも呼ばれた。
【VOC】
オランダの東インド会社の略号。1602年に設立され、東アジアの植民地支配と貿易に従事した。伊万里の染付磁器に見られるこのマーク入りの皿や瓶は同会社からの注文品であったと思われる。
【内禿 うちはげ】
陶磁器の内側が半分位、または内底が無釉となっている状態をいう。茶道具の筒茶碗・香炉・火入などに見られるが、意識的に土肌を見せて趣を出す意図である。
【うに】
信楽の土に亜炭などの有機物を含んだ粘土があり、この有機物を指してウニあるいは木ぐされと呼んでいる。焼成の際それらは燃えてしまい、その部分は空洞や窪みとなるが、この部分を抜けと呼んでいる。
【海揚がり うみあがり】
昭和初期、岡山県宇野港の沖合にある直島の北側から引き揚げられた桃山時代の備前焼(徳利・擂鉢・水甕・皿など)や1977年朝鮮半島の新安郡木浦市沖の海底で、中国元時代の沈没船一艘が発見され、一万点以上の青磁や青白磁が引き揚げられたことは有名である。また、鎌倉市の海岸には南宋から元代にかけての中国陶磁器の破片が大量に遺されており、今でもときどき拾い揚げられることがある。
【上絵付 うわえつけ】
素地に白土で化粧を施し、その上に透明釉を掛けて一度焼き、その後絵具で文様を描き、八百度ぐらいの中温で再度焼き上げる技法。釉上彩ともいう。
え行
【永仁の壷】
1959年、「永仁二年」の銘をもつ瓶子が鎌倉時代の古瀬戸として国の重要文化財に指定されたが、後に陶芸家加藤唐九郎による贋作と判明した事件、しかし、この贋作事件は本当の作者やその動機など不明の部分を残したまま終結した。
か行
【蓋雪 がいせつ】
陶磁器で紅色釉を全面に施し、模様のところだけを白く残してそこがあたかも陰刻文のように見えるものをいう。
【梅花皮 かいらぎ】
釉を厚く掛け過ぎたり、焼成不足のために釉が十分熔け切らず、魚のカイラギの背面中央部の皮肌状に縮れたものをいう。カイラギはアカエイに似た魚で、南シナ海、南洋諸島、インド洋などで獲れるが、硬い粒状凸起の皮があり、刀の柄や鞘の表面に用いられる。俗に蝶鮫の皮と伝えられたのは誤り。茶碗などの腰周りや高台の周りなど、火回りが不十分になりがちな部位に生じやすく、陶芸の技術面からすれば一つの欠陥という見方がある反面、茶人などはこれを一つの見所として賞美する。朝鮮系の井戸茶碗ではこの梅花皮は約束事とされているため、現代陶芸においても意図的に梅花皮を現わそうとする場合がある。日本の唐津系や美濃系の焼物にも散見される。
【蛙目 がいろめ】
瀬戸地方の方言で蛙のことである。粘土の中に半透明の石英質の小粒石(珪石)が混在し、これが水に濡れると蛙の眼球のように光って見えるのを蛙目といい、そういう陶土を蛙目粘土という。青蛙目、白蛙目、黒蛙目などがある。
【火炎土器 かえんどき】
口縁部が燃え上る炎を表す立体的装飾の土器。縄文時代中期の土器で、新潟県を中心に秋田・山形・福島県で出土する。
【カオリン=kaolin】
白陶土。鉱物のカオリナイト= kaolinite を主成分とする白色の粘土で、高級な磁器や耐火材の主原料である。可塑性が低いので実際には蛙目粘土を適量配合して成形しやすくして使う。また、釉薬の原料としても用いられる。高陵土、高嶺土ともいう。中国江西省景徳鎮付近の高嶺に産出したことからこの名がある。
【鏡 かがみ】
茶碗の見込の中央部分が円形に落窪んでいる部分をいう。鏡落ともいって高麗茶碗に多い。その部分に釉が溜まって鏡のように光って見えることから出た言葉であろう。
【数物 かずもの】
大量に作った粗製品。下等品。一定の数で一揃いになっているもの。
【片身替り かたみがわり】
器物の釉調が半分ずつ異なることをいう。窯の中で灰が前面だけに降り、片身だけが自然釉になったり、半分は酸化炎焼成、もう半分は還元炎焼成した結果などで現われる。人為的に二種類の釉薬を掛けて作る場合もあり、いずれの場合でも一つの景色とされる。
【火中 かちゅう】
火災などで火を被ること、また、火を被った物のことであるが、特に仏像や陶磁器などで使われる。
【画花 かっか】
陶磁器の装飾法の一つで、文様を素地に直接彫る技法。特に型を用いて草花などの文様を捺す装飾法は印花という。
【窯傷 かまきず】
陶磁器の成形した後の乾燥中、または焼成中に自然に生じた素地の亀裂や傷をいい、後世人の手を経る過程で生じた傷と区別するが、物によって窯傷はその価値にさほどのマイナスとはしない場合がある。キレ、山、また、略して山などともいう。
【窯印 かまじるし】
作陶で共同窯を使う場合、作者や注文主を識別するために作品や匣鉢に付けた記号。松葉・井桁・丸・一・十・丁など簡単なもので、古備前に多く見られるが、瀬戸や伊賀の古いものにも見受けられる。稀に須恵器にもある
【ガラ】
①古い掛軸の本紙を抜いたもの。
②ガラクタの略。骨董品としての商売の対象にならないような物。
【皮鯨 かわくじら】
瀬戸唐津の茶碗や皿の口縁に鉄釉を施し、茶褐色に発色させたものをその色が鯨の皮身のところに似ているとして九州地方ではこれを皮鯨と称して珍重するが、口紅の一種で
あり、鯨手・鯨口ともいう。
【還元炎焼成 かんげんえんしょうせい】
陶磁器の焼成において、窯中で燃焼に必要な酸素の供給が不足して、炭素の多い状態の火炎によって焼成すること。この場合素地や釉薬の鉱物の酸素が失われて、特有の色調を呈する。青磁 や辰砂などがその例である。酸化炎焼成に対比する語。
【貫入 かんにゅう】
陶磁器の釉面に現れたひびのことである。中国では開片と称し、そのひびの形状に応じて、小片微細なひび(小貫入)を魚子文、大片稀疎なもの(大貫入)をそれぞれの状態から牛毛文、柳葉文、蟹爪文、さらに百坡砕、梅花片文、氷裂文、断線文などといろいろに形容される。また、その大貫入、小貫入の二種類の貫入が枝分かれした状態や、混在して 現れる場合もある。貫入には自然貫入と装飾を目的に意図的に作る人工貫入があり、中国南宋時代の哥窯(かよう)の開片は人工的貫入として有名である。いずれにしても貫入が生じる原因は焼成と冷却の間の素地と釉薬の膨張率と収縮率の違いから生じるものである。貫入は略して入ともいうが、ちなみにガラスに生じたひびも貫入、人と呼んでいる。
【完品 かんぴん】
破損箇所や直しが全くない完全な品物をいう。
【キクラデスの石像=Cyclades figures】
紀元前二十五~紀元前二十世紀、 エーゲ海のキクラデス諸島で作られた石像のこと。主として女性の人体裸像で、数センチから数十センチの大きさのものである。
【木地蒔絵 きじまきえ】
漆塗りをしていない木地に直接蒔絵を施したもの。
【北前船 きたまえぶね】
元々、近世前期における日本海海運 (北国海運)の廻船の呼称であったが、後、近世中期以降明治初期にかけて盛んであった西廻海運の上方での呼称となった。また、その廻船に用いられたのが弁才船(江戸初期から造られた代表的和船の型式。船首に尖った太い軸を持つのが特徴)であったので、その別称にもなった。西廻海運の主要な交易は食糧物資であったが、日本各地の文化の交流にも多大な役割を果した。一説に北前とは日本海のことであるという。
【キッチュ= kitsch】
大衆受けする造形物の総称。 まがい物という意味もある。
【木鼻 きばな】
寺院や神社の建築の屋根の下に張り出した部分の突出した先端を木鼻という。木鼻には刳形(くりがた)や獅子・象鼻の彫刻が施される例が多い。
【逆象嵌 ぎゃくぞうがん】
象嵌の技法の一つで、通常の象嵌表現の逆に文様と文様の間の空き部分に象嵌を施す技法。
【ギヤマン】
ガラス、ガラス製品の別称で、安土・桃山時代から江戸時代にかけて、外国からわが国にもたらされたものや、幕末から明治時代のわが国で生産されたものをいう。特にこの時 代のカットグラスを指していう場合がある。
【経師屋 きょうじや】
経師は上代、写経を職業とする人のことであったが、後に経巻の表装をする人までをいうようになった。そしてさらに進んで、屏風や襖の表装をする職人や、書画の表装をする 職人を経師屋と呼ぶようになった。
【経筒 きょうづつ】
経本を納めた筒形の容器。金属・陶・石・木・竹などさまざまな材質のものがあるが、 経塚や墳墓、仏像の体内や石塔の内部に納入された。鍍金を施した銅製のものが多く、円 筒が一般的であるが、六角筒や八角筒のものもある。平安時代の経筒は大ぶりで二十五センチ位のものが多いが、時代が下るに従って小形化 し、室町時代には十センチ前後になる。筒身や蓋に図像を陰刻したり、墨書で銘文を記したものもある。
【経箱】
経典を収納するための箱。経箱は単に箱というだけでなく、経典という聖なるものを納める容器であるため、箱の外側や内側に蓮池文や蓮華文を描き荘厳化する例が多い。
【雲母紙 きららがみ】
雲母の粉を溶いて塗った和紙。 中近世、絵画の料紙として、また、装飾用紙として用いられた。
【切金 きりがね】
截金とも書く。金・銀・錫の箔や薄板を線状または三角・四角などに細かく切ったもの、 また、これを貼付して様々な文様を施す技法。主として仏画や仏像や蒔絵の中で使われて色彩的効果を高める。技法が螺鈿に似ているので金貝(かながい)ともいう。
【切子 きりこ】
カットグラスの和名。角や面を落したり線刻したりして装飾したガラスのこと。江戸時代末期、薩摩藩でヨーロッパのカットガラス技法を学び製作した切子は薩摩切子として珍重される。型態としては和風の重箱・チロリ・鉢・碗や、洋風の酒瓶・盃などが あり、色は紅・藍・黄などであった。また、江戸でも同じ頃発達したガラス工芸から江戸切子が生まれた。
【キリム=kilim】
トルコ語で「平に織られた布」の意味で、主にトルコ(アナトリア)、コーカサス、イ ランで織られた幾何学文様の毛織物をいう。一部に綿糸を使ったものもある。通常、絨毯の場合はパターンナー(パターン画師)がいて、それを織り手が織っていくのだが、キリムはパターンナー自身が織り手で、人から人へ現場で継承されるだけなので、そのパターンが途絶えることも多い。
【裂(切)鑑 きれかがみ】
鑑定の資料とするために、古代切、名物切などを集めて帖に仕立てたもの。
【極 きわめ】
書画・刀剣・茶道具などを鑑定して見極めること。
【極印 きわめいん】
①鑑定=極の証として折紙や極札に押す印。
②浮世絵版画刊行の検閲のしるしとして、その版画に摺られている「極」字などの小印。
【極付 きわめつき】
極書が付いていること。転じて定評のある確かなもの、また、ほかに求め得ないと認められること、これ以上のことはないなどの意味が生まれた。
【極め筒 きわめづつ】
茶杓の追筒の一種であるが、その茶杓の鑑定の極書を付した筒のこと。(例=珠光茶杓覚々斎 花押)
【極札 きわめふだ】
鑑定=極の結果を短冊形の小札に記したもの。
【金錯 きんさく】
金属器の表面に金で文様や文字を象嵌したり塗ったりしたもの。
【金沙里 きんさり】
朝鮮李朝時代の古窯の一つ。京畿道広州県南終面にあって、官窯が文院里に窯場を移す前の二十五年間(1625~1651) 官窯が置かれていたと推定されている。金沙里窯の乳白色、雪白色の白磁と青華白瓷はその後の李朝白磁の発展の端緒となった。
【金石 きんせき】
金属器と石器という意味で、古代の石碑や銅器などで文字を使った考古学上の遺物をさして金石という。金石文、金石学という言葉もある。
【金粒 きんつぶ】
九谷焼や薩摩焼に見られる金泥を盛り上げて作った点の集合文。
【金継 きんつぎ】
陶磁器の割れ目やひびを漆や樹脂で接着し、その上に金粉を蒔いて仕上げる修理方法。あたかも金で継いだように見える。
【金梅 きんぱい】
高麗茶碗の一種。朝鮮慶尚南道金海 (Kum hai)で作られた茶碗。薄作りで、白釉を掛け、表面に淡い紅色の小斑を見せるのが特徴。
【蒟醤手 きんまで】
キンマはマレーシア原産のコショウ科の常緑蔓性の灌木であるが、インドやマレーシアの人たちはその葉を採って檳榔(ヤシ科の常緑喬木、檳榔樹の実)と石灰と一緒に噛んでこのキンマの葉を入れておくのに用いる漆塗の箱(彼地ではキンマークという)を蒟醤手と称し、日本の茶人はこれを香箱として愛用する。
【蒟醤塗 きんまぬり】
醤の技法は籃胎(竹を組んだ素地)に漆を数回塗り重ね、これに模様と線刻して種々の色漆を塗り込め、研ぎ出して仕上げる。日本では讃岐蒟醤が知られている。
【金蘭手 きんらんで】
中国明時代の景徳鎮が生んだ色絵磁器の技術の一つで、色絵に金彩を加えた華やかな文様である。日本では陶芸家加藤土師萌 (1900~1967)が再現不可能といわれていた金襴手の復活に成功し、独特の「萌葱金襴手」を完成させた。
【食い違い】
碗などの口縁の一部の素地が重なり合っているところをいう。成形中に土が足りなくなって口造りが切れたのを重ね合わせたり、逆に大きすぎて一か所を切り、重ね合わせたりした場合にできる。一種の欠点であるが、伊羅保茶碗によく見かける。後に京焼などでこれを意識的に作ったものも見る。 ベベラロともいう。
【草双紙 くさぞうし】
江戸時代、主に婦女子を対象にした通俗的な絵入りの読物。表紙の色や製本のしかたによって赤本・黒本・青本・黄表紙・巻などと呼ばれた。体裁は享保以後はだいたい大半紙半截二つ折の中本形で、一冊五丁で数冊を一部とするのが定形であった。
【管玉 くだたま】
小形の竹管状の玉。径が五ミリ、長さが十五ミリくらいのものが一般的で、多数連ねて首飾りにしたもので、日本では古墳時代に多く作られた。
【口禿 くちはげ】
陶磁器の口縁端部の釉が削り取られている状態をいう。口縁部にリング状の窯道具をあてて重ね焼きをした場合や、伏せ焼きをした場合に生じる。
【口紅 くちべに】
陶磁器の口縁に鉄を含む釉薬を用いて輪郭線状に赤身を帯びた装飾を施す。これを口紅と称し、主として染付や赤絵の磁器に見るが、一般に口紅を施した器は上手(じょうて)のものとして 扱われている。
【沓形 くつわがた】
碗や鉢の形に対する一つの名称。全体を不規則な楕円形にし、上から押し潰したように胴部にくびれがある形。御所丸・織部の茶碗に典型があり、志野・唐津の茶碗にもよ く見る。蹴鞠用の香の形に似ているところからこの名がある。
【クラック=crack】
陶磁器、ガラス。金属類などの割れ目、ひび割れ、亀裂をいう。和語の入(にゅう)と同じ。
【くらわんか茶碗】
江戸時代中期、大阪府枚方市付近の淀川沿いの船着場で、酒食を売る「くらわんか船」(船上から 「くらわんか」と声を掛けて商いをした)が用いた下手の染付磁器茶椀。伊万里・砥部焼・古曽部焼などが使われた。
【屈輪 ぐり】
倶利とも書き、ぐりん、ぐりぐりなどともいう。木地や堆漆などで、唐草や渦巻のような彫り模様の総称。
【車箪笥 くるまだんす】
底部に車をつけ、移動性を高めた箪笥のこと。江戸時代初期から作られたが、車長持からヒントを得たものであろうとされている。
【黒っぽい物】
①陶磁器の世界においては日本の土師器や須恵器、朝鮮半島の新羅土器など黒っぽい素焼きの土器の総称。
②古本の世界においては古文書類や明治・大正・昭和初期の古本、また、戦中戦後の品質が粗悪なセンカ紙などで作られた本も日焼けした本が多く黒っぽい物(本)といっ ている。
【黒物 くろもん】
薩摩焼のうち白物と呼ばれる白釉陶器以外の色釉陶器をいう。白物が藩主の御用品であったのに対し、黒物は庶民の日用品であった。
【鶏竜山 けいりゅうざん】
朝鮮李朝前期 (十五~十六世紀)に忠清南道公州にある鶏竜山付近の群窯で生産された陶器を鶏竜山と総称している。土は鉄分の多い灰黒色のため白泥で化粧掛けし、簡単な鉄絵を施したいわゆる鉄絵刷毛目が代表的であるが、このほか刷毛目・三島手・白釉・黒釉なども焼成した。
【ゲジ】
伊万里の蛸唐草文様の皿の別称。昭和四十年代頃はゲジゲジゲジ虫の略と称して、陶磁器の食器の中では下手のものとされていた。
【化粧煙管 けしょうぎせる】
美しい絵模様を染付や色絵で施した陶製のキセル。
【下駄印 げたいん】
伊賀・信楽・古丹波・常滑の壺の底部に見られる二本または三本の下駄の歯のような痕 跡。浮き出ているものを出下駄、窪んでいるものを入下駄という。轆轤盤の支柱の跡とす る説があるが、はっきりとはわかっていない。下駄起し、下駄焼などともいう。
【闕(欠) 画 けっかく】
書において漢字の画を省くこと。特に天子や貴人の名と同じ漢字を書くとき、はばかってその漢字の一画を欠く。闕字ともいう。
【下手物 げてもの】
大量に生産される民衆用の日用雑器の類を下手物と称し、上手物と対比する。大正末期から昭和初期にかけて柳宗悦が主唱した民芸運動によって、中には質の高い工芸美を有する物があるという認識が広がった、柳はこれを“用の美”といった。
【毛彫 けぼり】
彫金技法の一つで、金属の表面や陶磁器の素地に毛髪のように細い線を彫ることからこの名がある。しぶ鏨(たがね)(先が三角に尖った刃をもつ鏨)で彫るので鋭く力強い線を自在に描くことができる。
【蹴彫 けりぼり】
彫金技法の一つで、平鏨を縦に用いて金属の表面を蹴るように打ち込んでいくのでこの名がある。 彫った跡が楔のような三角形の連続文様になる。
【拳骨茶碗 げんこつちゃわん】
黒釉の茶碗の胴部に拳骨の痕を思わせるような凹部を数個つけたもの。江戸時代天保年間 (1830~1847)に美濃・尾張の窯で作られたが、一時的流行に終った。また、明治時代 の磁器皿にも同じ技法を用いた拳骨皿が出現したが、これは流行とまではいかなかった。
【源内焼 げんないやき】
平賀源内(1729~1779)が香川県志度町に築いた窯で焼かれた鉢・皿・置物などの 一群の陶器をいう。鮮やかな黄・緑、紫を使った交趾焼風の軟陶で、弟子の脇田舜民や赤松松山たちの作品がほとんどで、「志度舜民」「舜民」「民」などの名を捺している。別名、舜民焼・松山焼・ 民山焼・志度焼などと呼ばれることもある。
【絹本 けんぽん】
書画・文書に使う絹地、また、書画・文章などで絹地に書 (描)かれた作品のこと。紙本に対する。
【元禄模様 げんろくもよう】
寛文(1661~1672)から元禄(1688~1703)にかけて流行した衣装の模様。市松・弁慶縞などの大柄で華やかな模様。明治時代にも流行した。
【香案 こうあん】
香炉を載せる机。香卓ともいう。
【硬玉 こうぎょく】
ひすい輝石、いわゆる翡翠と呼ばれるものである。純粋なものは白色で、クロムを含むものは緑白色・青緑色・緑紫色を呈する。ミャンマー、日本に産する。軟玉に対比する。
【巧芸画 こうげいが】
多色コロタイプ印刷で精巧に複製した書画。
【考古画譜 こうこがふ】
日本絵画の古画に関する調査目録。黒川春村の遺稿を黒川真頼らが増補し、明治十五年 ~三十四年刊行。仏画・絵巻・肖像画などの研究の基本的文献である。
【高野切 こうやぎれ】
もと高野山金剛峰寺が蔵していた古筆の切。紀貫之の筆と伝えられる古今集の断片である。
【高麗青磁 こうらいせいじ】
朝鮮の高麗朝時代に焼かれた青磁。中国の越州窯青磁の影響のもとに十世紀に焼造が始まり、十一~十二世紀初頭に最高級のいわゆる翡色青磁 を焼造した。また、十二~十三 世紀には独特の象嵌青磁を生み出した。
【高麗茶碗 こうらいちゃわん】
朝鮮で高麗朝末期から李朝時代にかけて焼かれ、わが国に舶載された茶碗の総称。高麗朝時代のものは少なく、ほとんどが李朝時代のものであるが、朝鮮を呼ぶ名称として古く から高麗という呼称が用いられていたことによる。室町後期、村田珠光によって茶が提唱され、それまでの中国から舶来したいわゆる唐物茶碗に替って茶湯の茶碗の中心となり、現代にまで及んでいる。桃山時代にはわが国からの注文による生産も始まり、江戸時代初期には釜山に「和館窯」 が築かれ、日本の陶工も渡って作陶し、かなりの数の高麗茶碗が作られ日本に舶来した。なお、釜山の和館窯で焼かれた高麗茶碗を御本 (見本にもとづく注文品の意味)、また、今渡り、新渡と呼び、それ以前の高麗茶碗を古渡りと呼んで区別する。 高麗茶碗は多岐に分類されるが、主なものとして井戸・刷毛目・蕎麦・堅手・柿の蔕(へた)・三島・伊羅保・熊川・斗々屋・金海・雲鶴・御所丸どがある。このうち御所丸茶碗と御本茶碗を除き、雲鶴は高麗末期から李朝初期の人参湯の湯飲みであり、他は李朝時代の庶民の食器や祭器ではなかったかと思われる。
【高麗白磁 こうらいはくじ】
朝鮮の高麗朝時代に焼造された白磁。 遺品は少ない。
【香蘭社 こうらんしゃ】
明治七年、有田で四人の陶芸家によって設立された製陶会社。中国や日本の名陶の写しをベースにして輸出品の大量生産を目的として出発した会社で、作品の高台裏に「香蘭」 の銘を付した。
【古玩 こがん】
骨董の別称。元は中国語である。
【呉器 ごき】
高麗茶碗の一種。深い椀形で撥高台が特徴。御器・五器などとも書く。 名称の由来は、禅寺で使う漆器の御器椀に形が似ているからとか、中国江南地方の呉国で作られた青白磁碗に原形があるためとする諸説があるが不明である。
【古裂 こぎれ】
古い織物の切れはし。単に裂ともいう。
【極印 ごくいん】
江戸時代、金銀貨や器物などに品質証明や偽造防止のために刻んだ印。
【黒像式土器 ぐぞうしきどき】
古代ギリシャで紀元前八~紀元前六世紀にかけて作られた陶器。極めて細かい赤色系の胎土で成形し、焼き上げた後、表面に黒色で図像を描いた。細部は線刻で表現した。国内はもちろん、黒海沿岸、イタリア、アフリカなど広く当時のギリシャ植民地に輸出された。黒絵手、黒絵式陶器とも呼ばれる。
【古硯 こけん】
目安として概ね百年以上前に作られた硯をいう。
【五彩 ごさい】
高火度で焼かれた白磁の上にいろいろの色彩釉で図柄を描き低火度で上絵付したもの。日本では赤絵または色絵といい、欧米ではファミーユベルトという。
【御朱印裂 ごしゅいんぎれ】
御朱印船にその交易の認可印として与えられた裂で、 雲龍、飛鶴などの文様の入った裂。墨書のあるものもある。
【古洩 こせつ】
技巧はつたないが、古風で趣のある様をいう。「古拙の美」「古拙の壺」などという。
【小玉 こだま】
弥生・古墳時代、装身具などに用いた小さな丸玉。直径四~六ミリで、硬玉もあるが多くはガラス製である。
【鏝会 こてえ】
漆喰を塗った上に鏝(こて)で風景や人物を描き出した絵。作者として幕末・明治前期の左官、伊豆の長八が有名である。
【古美 こび】
時代の古い絵の額装にあたって、新品の額縁に細工を施して時代がかったものにすることが古美で、「額縁に古美を入れる」などという。無数の小さな虫食い穴を開けたり、表 面に亀裂が生じるような素材を塗ったり、何度も異なった色を塗り重ねて時代がかった色に仕上げるなどのテクニックがある。類語に「時代付け」がある。
【粉引 こひき】
朝鮮李朝時代の焼物でズブ掛けした表面の白釉が粉を引いたように見えることからこの名がある。粉吹ともいう。
【護符 ごふ】
種々の厄災や病魔を払い、また、それから逃れ、あるいか招福、延命などのご利益をもたらすと信じられているお札や物をいう。超自然的な力に対する信仰と、それが物質に宿るとする呪物崇拝は世界に広く見られるが、日本においてはお守り・お札・神符などがその代表的なものであり、古代の勾玉も 護符の一種と考えられている。
【小服茶碗 こふくちゃわん】
少量の茶を喫するとき、また、道中持ち歩くのに便利だなどの理由から、小形の茶碗を俗に小服茶碗と呼ぶことがある。
【コプト織 = Coptic textile】
四世紀頃から十二世紀にかけてエジプトで織られた染色されたウールと白地の亜麻によって織られた一種のつづれ織。衣装に用いたものである。八世紀頃になってキリスト教的主題が織られるようになった。なお、コプトという言葉はエジプト土着の人々という意味であり、移住民と区別するために使われた名称である。
【胡粉 ごふん】
日本画の彩色に用いる白色の顔料。古く奈良時代から鎌倉時代にかけては鉛白(塩基性 炭酸鉛)を用いたが、室町時代以降は貝殻を焼いて作った微粉炭酸カルシウムを用いるようになり、これを胡粉と呼ぶようになった。
【狛犬 こまいぬ】
社寺の神殿や本堂の前に置かれる守護獣。獅子の形が基本で、その起源は遠くペルシャやインドにまでさかのぼるとされている。わが国では平安時代前期から作られたと推定されるが、この時代の遺品はなく、後期以降の遺品が現存する。古くは木像であり、石像は鎌倉時代末期から造られ、陶製も同時期からと考えられている。また、金属製の作例はまれである。
【馬爪 こまのつめ】
窯の中の床面が傾斜している場合、製品が倒れないように製品の底部と床面(窯床)の間に粘土を団子状にしたものや陶片を噛ませて水平を保つが、これらを馬爪といっている。焼き上がった後は掻き落とされるものであるが、ときにひっつきとなって底部に残っている場合がある。
【熊川 こもがい】
高麗茶碗の一種。朝鮮慶尚南道熊川 (Kom kai) で作られた茶碗。白土で化粧した上に鼠色または薄浅葱色の上釉を掛ける。高台裏は無釉で、口縁部が反っているのが特徴。
【子持勾玉 こもちまがたま】
湾曲した内側(西側)または外側(凸側)に突起を持つ形の勾玉。腹に子供を抱くような、また、孕むような形、外側に突起を持つものは子供を背負うような形からこの名がある。突起は一個とは限らない。
【御物袋 ごもつぶくろ】
茶道の茶碗をしまっておくときの袋で、紫や茶の縮緬地で作ったものが多い。
【五輪塔 ごりんとう】
仏塔の一種であり、平安時代中期頃からの作例がある。五輪塔は下から方形・球形・三角形・半球形・宝珠形で成り立ち、すべての物の生成の本源としての地・水・火・風・空の五大に対応する。また、それぞれの五大の梵字を刻するものもある。五輪塔は石造・瓦製・水晶製金銅製・木製のものなどがある。
【ゴールド・サンドウィッチ・グラス= gold sand-wich glass】
ボヘミアガラスの一技法で、密着する相似形のガラスの間に金箔や銀箔の文様を挟み込んだもの。製品は現存するものの、その技法は途絶えてしまい、幻の技法とされている。
【古渡り こわたり】
古く外国から舶載された茶器 (主として茶碗)の意味であるが小堀遠州(天正七年~正保四年、 1579~1647)の時代までのものをいい、時代渡り、もとわたり、古渡などともいう。その後の後渡りと対比する。
無料で出張査定、買取ができます
- 出張料、鑑定料一切無料です。(内容によってはお伺いできない場合もあります)
- メール・LINEでの簡易査定もできます。
- まずはお電話ください。内容を確認させていただき一番良い方法をご提案いたします。